私もとうとうこの12月末で還暦を迎えます。ついこの間まで還暦などというものは相当な年寄りのレベルに感じていたのですが……。それでも周囲には年齢より若く見られています。顔が若作りなのかな? 姿勢がピンとしていてがっちりした体格に見えるとも評されていますね。だから還暦を意識させないらしいのです。ところが、本人にはそれ相応の体調面での悩みが生じてきていまして……。
まずは眼の調子がよろしくない。せっかく度数を調整したばかりの眼鏡がすぐに合わなくなって、その理由を眼医者に調べてもらったら、ピンポイント視力は衰えていないから白内障によってレンズの屈折率が変わってしまったせいだろうといわれがっくり。右目だけが極端に見づらい状態になっていまして、日常生活でも支障が生じています。それより、見づらいことによる精神的なストレスが一番のマイナスですね。
その他にも、運動不足の領域を超えて筋力が今までになくすぐにレベルダウンしてしまう。脚力にしても腕力にしても強い衝撃に耐えられないレベルに落ちている。筋力そのものに弾力性も持久力もない。そのうえ固くなって張りがない。皮膚も手入れを怠っているといつの間にかしわくちゃの老人肌に変身。だんだん寄る年波というものを感じ恐ろしくなってきます。60歳ぐらいではだれもそうは思いたくないし、他の人にも元気に見せて弱みを悟らせないようにしたがるものでしょうから、そういう弱気な発言をする人は少ないでしょう。でも、内心ではかなり自分の体に起きている変化に気づいているし不安も感じ始めているはずです。
ちょっと脳梗塞で倒れた仲間の話を話題に出して、その徴候はこうこうこういうふうにあったんだよなどと危機回避の情報に触れると真剣に聞き入っていますからね。みんな恐れることは一緒ですし、隠しようがないほど体の中でおきている異常についての不安は感じていますよ。できれば、空元気など起こさないで何かおかしいなと思ったら、信頼できる医者を探しておいてすぐに見てもらうべきでしょうね。
還暦を迎えて、さあ新しい人生の出発だと書きたいところで、目標もそれなりに持ってはいますが、どうも寂しい話になるのはそういう再出発の話にもっていくこと自体に衰えへの反発が込められているはずなのにみんな正直でないなと。いままでできなかったことをやってみようというのも、大黒柱としての責任も終わってある程度自由の身になったこともあるでしょうが、近づきつつある終末に悔いを残したくないからでもあるのです。さあ、その意味でも頑張らねば。